千葉大学大学院医学研究院放射線医学教室

教授挨拶

   宇野 隆教授

千葉大学大学院医学研究院 画像診断・放射線腫瘍学(放射線医学)の宇野 隆です。筧 弘毅教授、有水 曻教授、伊東久夫教授に続く4代目教授として、2012年より教室を担当させていただいています。

放射線医学は主として画像診断(CT、MRI、PETなどの形態・機能診断およびIVRなどによる低侵襲治療)と放射線治療(高精度外部照射線治療、小線源治療およびRI内用治療)の二本柱で成り立っています。両分野とも近年めざましい進歩があり、この10年ほどは教室を診断と治療とに分ける大学も増えてきました。しかし、限られた一部の大学を除き、実際には両分野の対等かつバランスある発展は容易ではないこと、若き教室員の専門分野選択に幅広い可能性を提供すること、そして画像診断と放射線治療を有機的に学習する必要がある医新専門医制度への対応から、当教室は教室を診断と治療とに分けることなく、それぞれの分野で若くて優秀な専門医を擁し、臨床・研究・教育に積極的に取り組んでいます。画像診断・放射線治療はアカデミック施設であればどの施設にも必須の先端分野でありますが、急激な技術進歩と普及で現在では放射線科専門医の独壇場となっております。画像診断では、医学部附属病院に整備された高磁場MRI、MDCT、PETなどの高度な医療機器を用いた臨床研究を行い、診断能の向上や被曝低減により患者の方々、各診療科、そして地域医療に貢献しています。放射線治療では画像診断技術の進歩を取り入れた定位放射線照射(ピンポイント照射)、呼吸同期照射、画像誘導放射線治療、強度変調放射線治療(IMRT)、MRIによる画像誘導小線源治療といった、高精度かつ低侵襲な放射線治療で日本の放射線治療をリードし、日常診療に還元してきました。しかし、当教室はここでとどまることなく、今後これらをさらに発展させ、画像診断や放射線治療の分野において新しいものを創造し、社会や他の研究者に還元していきたいと考えております。まもなく完成する新中央診療等ではこれまでできなかったような新たな放射線診療が提供できるものと期待しています。

今日、放射線医学では、新しい技術の開発・導入が重要視される傾向にあります。診療機器の著しい進歩と高機能化、そして社会からのニーズと提供すべきサービスの高度化・多様化により専門性がますます高くなる反面、ともすれば個々の患者のアウトカムに対する責任感がやや希薄化する傾向があるように感じられます。このような時代にこそ、放射線科医にも目の前の患者の診療に集中し個々の疾患と対峙していく姿勢がよりいっそう求められていると思われます。私は、診断と治療技術が高度に進歩しAI導入が目前に迫る現代の医療にあっても、医療にとってもっとも大切なことの一つは、医師の情熱であると信じております。患者に対する一臨床医としての責務を全うすべく、個々の患者に視線をおいた診療業務が行えるよう、教室のさらなる発展を目指しますので、どうか何卒よろしくお願い申し上げます。

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