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画像診断センター長挨拶

千葉大学医学部附属病院画像診断センター長の那須克宏です。藤本前センター長の退職に伴い2024年4月にセンター長を拝命いたしました。画像診断センターは2018年に新設されました。病理や救急と同様、いわゆる“中央部門”と呼ばれるセクションになります。

患者さんの診療を直接担当する各診療科の主治医は、それぞれの対象疾患についてのスペシャリストです。本学は古い伝統を誇る医学部であり、各診療科の診療レベルは高く、国内外で医療・医学をリードしてきました。一方、中央部診療部門として放射線科医が統括する画像診断の育成には立ち遅れてきたという経緯があり、その結果、それぞれの診療科が専門とする領域以外の画像所見に気づくのが遅れ、重要な疾患の診療が遅延するという事例が相次いで報告されました。そのような悲劇を繰り返さないために2018年に新設されたのが画像診断センターになります。

患者さんの診療を直接担当する各診療科の主治医は、それぞれの対象疾患についてのスペシャリストです。その反面、自分の専門領域以外の異常には気づきにくかったり、患者さんに寄り添うことを優先するあまりに所見の客観的評価がおろそかになったりすることがないわけではありません。一方、放射線診断専門医は画像診断のスペシャリストとして客観的な立場から画像全体を観察して所見を捉え、その結果を主治医に伝え、診療に必要な助言を行う役割を担っています。このような、いわば“二人三脚”の画像診断を推進することで、よりレベルの高い診療を行うことができることになります。これが画像診断を専門とする中央部門が存在する利点になります。

現在、画像診断センターの担っている任務は次の3つです。第1は、CT, MRI, 核医学検査を主体とした画像検査について読影報告書を作成し、各診療科の医師に重要な情報を提供することです。第2は本学附属病院で実施されている画像診断について、その適応や方法の管理を行い、病院全体として効率のよい検査を行っていくための指令塔となることです。これは、医療経済学的にも重要であるとともに世界的に高いとされている日本の医療被曝の低減にもつながります。第3は次代を担う放射線診断専門医および関連する全ての職種の人材育成のためのセンターとしての役割を果たすことです。これはすなわち大学附属病院として教育および研究に寄与することです。

近年の画像診断の進歩は急速かつ多岐にわたっており、その全てを一人の医師がカバーできるはずもありません。現在は少しでも多くの放射線診断医の育成が必要とされている時代です。千葉大放射線科および画像診断センターは画像診断の最前線を担う志を持った若い先生方に対して常に門戸を開けています。