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ASTRO’s 54th Annual Meeting #2

2012年10月30日 | 学会・研究会

 

学会3日目(現地時間10月30日)。風は強いものの、午前中には晴れ間も出てきて、天候は回復に向かい、学会は予定通り開催されました。

 

朝は8時から教育講演が目白押しです。私は結局、前立腺癌に対する外照射のセッションにでました。参加者は各自に配布されるPDAから講演中のsurveyに対して答える方式になっています。意外にも、日々の位置合わせにfiducial markerを用いている施設はそれほど多くなく、多くはCBCTでの位置合わせでした。また、high risk症例に対して骨盤照射をすると答えた参加者もかなり多かったです。

 

その後は、大会長講演や表彰式が続くので、次のセッションまでボストン観光に出ました。

 

学会場から主要ホテルまではシャトルバスが出ています。これに乗り、ボストンの中心街まででて、ボストン市民の憩いの場コープリースクエアに行きました。すぐ隣にはニューイングランド地方でNo.1の高さを誇る全面ガラス張りのジョン・ハンコックタワーとトリニティ教会が並んで立っている風景が印象的です。この公園では定期的にファーマーズマーケットが開かれています。リンゴが大変おいしそうだったので買って、おやつに食べました。とてもあまいリンゴが2つで1ドルとは、物価の高いボストンでお得な買い物でした。

 

 

午後は肺癌のscientific sessionに出席しました。biomakerや分子標的薬を併用した臨床試験がテーマでした。

 

その次は、婦人科腫瘍の頚癌以外を扱ったセッションに出席しました。発表のたびごとにフロアから質問やコメントに立ち上がる風格のある話し方をする女性がいて、あとからその方が婦人科放射線治療で有名なEifel先生だとわかり、なるほどと思いました。

 

最後は肺癌に対する4DCTについてのパネルディスカッションに出席しました。日本の高精度研究会でも、議論されていることが多く話題に上っていました。

 

さらにその晩はJASTRO主催でJASTRO seminar in ASTROという会が催されました。3年前からASTROの際に開催されているそうで、北米で活躍されている先生のご講演を聞き、懇親会を行うというものです。今年はおそらく150名以上のJASTRO会員が参加していました。日本からの参加者の多さに驚きました。今回講演された内野三菜子先生は、初期研修医時代の先輩にあたり、現在は世界屈指のキャンサーセンターであるプリンセスマーガレット病院での臨床フェローとトロント大学での教育学の研究を並行してされています。ハリケーンでトロントとボストンの間の交通機関はほぼストップしたため、レンタカーで駆けつけての講演でした。トロントにおけるCancer survivorshipプログラムがどのようにがん患者さんを支えているのか、内野先生が世界屈指のキャンサーセンターでいかにSurviveしてきたが、そして日本の放射線治療がこれから世界でいかにSurviveしていくかということについてご講演されました。元上司の土器屋先生が「なでしこoncologist」とおっしゃっていたことが感慨深く感じました。

 

そして、さらにこの後、同年代の放射線治療医で集まって2次会へ行きました。私たちは、NExTという活動をしており、卒後10年前後くらいまでの放射線治療医が普段から集まって仲良くさせてもらっています。大学や地域の垣根を越えて同じフィールドで働く人たちと交流できるのはとても良い刺激になります。

 

結局、ホテルの部屋に帰り着いたのは夜中2時近くなり、かなりハードな1日となりました。一部の人たちは、ホテルの部屋で飲みなおして、夜を明かしたそうです。

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